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うつくしきフィリピンの島々から。  
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[芸術は国を変えるか]
2008年3月
 


「腐敗しきったこの国の政治は、選挙を通じてはもはや変えられない。アートを通じて、人々の感性・知性の根底に訴えていくしか自分には術はないと思う。」フィリピン大学(日本でいう東大的存在)の芸術学科を卒業した友人は言います。確かに歴史上、芸術や文学は政治的・社会的批判の手段として痛烈なインパクトを持ち、時には戦間期のドイツのように迫害の対象にさえなってきました。

しかし現代のフィリピン社会に於いて、彼等の発信するアートが広く受け入れられているかというとそうではありません。別のフィリピン人の友人が公言して憚らないように、大衆文化は食やファッションに至るまで「諸外国で流行したものの輸入と模倣」によって成り立っている印象を受けます。400年の長きに及んだスペイン植民地時代、その後の日本やアメリカによる侵略・統治は、この国のアイデンティティを奪ってしまったのでしょうか?

アンダーグラウンドカルチャーは、その前衛性ゆえに大衆の理解を得にくいことは事実です。しかし「アンダーグラウンド」であり続ける限り、それは大局を動かすことはできません。磨きぬかれた感性を妥協せずに共有・発信し、大衆に背を向けることなく、たとえ少数派であっても時代をリードするアーティストとしての自負と気概を以って、彼等が今後の活動を続けてくれることを願ってやみません。そして長い時間をかけて、この国がいつか、嘗ての輝きと誇りを取り戻してくれることを。